「雅紀もだいぶ運転上手くなったよね」

「それはどうも ほら、見ろよ!」

雅紀は指差した

「うわ、懐かしい…」

そこには海が全体に広がっていた

ここはまだ幼い時雅紀と一緒に遊んでいた海

私たちは車を降りた

海なんて来たのいつぶりだろうか…

「お前さこの海で溺れて死にかけてたよな」

「うんうん それを雅紀が助けてくれた やっぱりあんたには頭上がんないわ」

「そんとき言ったこと覚えてる?」

「なんだったけ?」

「僕が美里ちゃんを守るから いくら溺れても僕が助ける」

「めっちゃ覚えてんじゃん! 今思えばあの頃が1番男らしかったんじゃない?」

「うるせーな」

雅紀は照れながら言った

褒められると嬉しいくせに

「俺はなその言葉を忘れたことなんてない」

雅紀は私の目をジッと見る

「な、何よ 真剣な顔しちゃって…」

改めて思うけど雅紀は人並み以上にかっこいいと思う

けど大学に入ってから1度も彼女が出来たことはない

高校時代も付き合ってはいたけどすぐ別れて…

「な、お前さ先生のこと忘れるために合コンで男捕まえてんだって? 葵が言ってたよ 美里は変わっちゃったって」

「そんなのあんたに関係ないじゃん…」

「俺はなお前のことずっと見てきた 美里の良いところも悪いところも知ってる けどな今のお前は別人みたいなんだよ…!」