「そう! 嘘なの 先生が喜ぶかなーって思ったからさ」

私は必死に作り笑いをする

「そんな…」

なんでそんな悲しい顔するの?

ずるいよ先生は…

「それとさもう思い出さなくていいんじゃないかな 大事な記憶」

「えっ?」

「過去を思い出すより今の方が大事でしょ? それに相手はもう覚えてないかもね」

私は必死に笑顔を作った

先生とサヨナラするために

「てことで久しぶりに話せて良かったよ またどっかで会ったら声かけてよね じゃあお大事に」

「ねぇ、待ってよ相沢さん…!」

先生が呼び止めてくれてる

相変わらず優しいよな先生は…

けどねもう苦しんだその優しさを受け止めるのは

「もう、うるさいなー 先生は薫さんと幸せになるんでしょ? 幸せにしてあげなよ」

私は先生に背を向けて言った

振り返ったら泣いてるのがバレるから…

私は病室のドアを開けた…

バイバイ先生…