「諦めないでください…」

私は消えそうな声で言った

「えっ?」

「思い出すこと諦めないでください!」

私は立ち上がりそう叫んだ

今にも泣きそうになるのを必死にこらえた

「相沢さん…?」

先生は驚いた顔をしている

私は話を続けた

「今でも先生のこと待ってる人がいるかもしれませんよ? その大事なものって大切な人のことなんじゃ…!」

私だよ!先生!

思い出してよ!

私は心の中で叫んだ

先生は私を見てクスッと笑った

「相沢さんの言う通りだ そうだね 僕にとって大事なものなのかもしれないね…」

「すみません 私余計なことを…」

「いいんだ よし! 違う話しようか」

それから先生と話した

まるであの頃に戻ったかのように

とてもとても幸せな時間だった