そして土曜日

私は扉の前のベンチで先生を待っていた

待てよ…

また彼女さんと一緒なんじゃ…

そこまで考えてなかった

そうこうしているうちに時間は11時をすぎていた

確かそろそろ…

「あっ、相沢さん! おはよう」

「あっ、、、」

いきなり声をかけられびっくりして次の言葉が出ない

「1週間振りだね」

「そうですね」

あれ?

今日は1人はなのかな…

「今日は1人で来たんだ ここ座っていい?」

先生が私の隣を指差す

「あ、どうぞ!」

隣に座るだけで距離が近い

そして懐かしい先生の匂い

「相沢さんは何で病院に?」

「えっ、あ、友達のお見舞い…」

突先に思いついた嘘

先生に会いにきたなんて言えるはずない

「そっか 偉いね」

「ありがとう… せ、先生はなんで病院に?」

「え、先生って?」

あ、そっか私のこと教え子ってことも忘れてるんだった

「あっ、ごめんなさい なんて呼んでいいのかわかんなくて…」

「なるほど いいよ先生で 呼ばれ慣れてるし 」

「じゃあ先生で…」

なんて呼んでいいのかわかんないって本当に赤の他人みたい

なんで私のことだけ忘れちゃったのかな…