「ダメだ やっぱ帰ろっかな…」

私は病院の扉の前で自分と戦っていた

ここで帰ったら負けだ

今回の決意は固いぞ…!

私はベンチに腰掛けた

時計を見ると11時すぎ

いつ終わるんだろう…

「ちょっと早いよ!」

聞き覚えのある声

私の大好きな声

私は立ち上がり扉のほうを見た

そこには先生と…

「誠が遅いんじゃん! さ、ご飯食べに行こっ!」

女の人が先生の腕に手を回した

綺麗な人だな…

思わず見とれてしまった

工藤先生が前に言ってた先生の彼女

大学時代の元カノで2年前再会して今やまたヨリを戻したっていう…

先生今幸せなんだ…

私は急に悲しくなってその場を離れようとしたとき…

「あ、君は…」

その声に振り返ってしまった