「ごめん 誰?」

思いもよらぬ答えに言葉が出ない

「人違いなんじゃない? ねぇ、美里」

「そうだよ 美咲の言う通りだよ」

2人の声が入ってこない

なんで覚えてないの?

なんで、どうして?

「あの、僕たち会ったことあるっけ?」

先生が不思議そうな顔で私を見つめる

もう耐えられない

「私帰るっ!」

私は逃げるように店を出た

涙が溢れる

こんなに泣いたのはいつぶりだろう

この日どうやって帰ったかあまり覚えていない