「よかったな高橋。携帯見つかって。で、友達から何か連絡は?」
「...あ、なんか帰っちゃったみたいです」
「はぁ?」
「え?帰ったって?高橋さんの友だちが?」
「...はい」
はぐれた友達を置いて、普通帰る?
もしかして高橋さん、いじめに遭ってるんじゃ...
心配する私たちをよそに、高橋さんは笑顔で言った。
「友達に帰られちゃったので、私も一緒に行動していいですか?」
えっ...?
思わぬ発言に何も返せない。
かわいそうだとは思うけれど、高橋さん、私たちデートだって知っているよね?
「...ダメですか?」
寂しそうに言われると、受け入れるしかない。
「いい?河西くん」
「え?あぁ...鵜崎がいいなら俺は別に」
もはやデートじゃなくなったけれど、放っておくわけにもいかなくなり...
3人で遊園地を回ることにした。



