10年愛してくれた君へ


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迎えた土曜日、今日は春兄と毎年恒例の野球観戦!


車で迎えに来てくれるって言っていたから、それまでに身支度をして、いつも使っている応援グッズをカバンに詰める。




「春人くん来たわよー」


下からお母さんの声。


「はーいっ!」


階段を下りると玄関には春兄が立っていた。


「春兄おはよう!」


「おはよう藍。行くか?」


「うん!」


助手席に乗り込み、シートベルトを締める。


「今年初観戦だなー。今何位だっけ?」


春兄と私はひいきのチームが同じ。


と言うのも、元々野球大好きな春兄がそのチームのファンで、私もそれに乗っかっただけなのだけれど。


「今は3位。まぁ4月5月辺りはいつもそんなところだよ」


「そうだよね!そこからどんどん追い上げていくんだもんね!」


「藍も詳しくなったな」


「そりゃ春兄の影響で、テレビでもたまに観たりするし」


「ははっ、俺の影響か」


嬉しそうに笑う春兄。


それにつられて自然と笑顔になった。