10年愛してくれた君へ


食事を終え部屋に戻る。


携帯を確認すると、春兄からメッセージが届いていた。



【初日お疲れ!ちゃんと勉強したか?】


心配性だなー春兄は。


そう思いながらも内心喜んでいる自分がいた。


【何とか乗り切ったよ!明日は球技大会!】


【藍がソフトやってるところ見たかったな。
頑張れよ!!】



「…あんたが打席に入ったら動画撮って春人さんに送りつけようか」


「うわっ!充希!びっくりしたー」


後ろから画面を覗き込んでいた充希に驚き仰け反る。


「携帯に夢中になりすぎー。全く気づかないんだもん」


「ご、ごめん…」


「別に謝らんでも。ところでさ、河西のやつから連絡来た?」


「え?河西くん?ないけど…」


「そうなんだ。じゃあいいや!」


え、なんだろう気になる。


そう思っていると、メッセージ通知が来た。


春兄!と思ったけれど…



河西くんからだった。


さっき充希があんなこと言ってたから、内容も見ずに『河西くんから来たよ』と言うと、チラッとこちらを見ただけで何も答えなかった。


何なんだ?



不思議に思いながらも河西くんからのメッセージを開く。



【明日、球技大会が終わってからちょっと話したいことがあるんだ】


話したいこと?


しかも、球技大会が終わってからという時間指定。


【うん!でもどうしたの?】


【それは明日!ちゃんと話すから!】



『わかった』とだけ返して携帯を置いた。



「何か明日話があるって言われたー。どうしたんだろう?」


「…あんたにとっては嬉しい話なんじゃない?」


「充希、知ってるの?」


「いや?何となく」