「じゃあ、お願いしていいかな?」


「あぁ、もちろん」



本当に、春兄にはいつもお世話になりっぱなしだ。


「ありがとう春兄」


「俺が好きでしてるだけだから」



いつも優しい春兄。


いつか恩返ししたいな。




あ!そうだ!



「春兄、何か欲しい物ない!?」


「え、欲しい物?」


「うん!最近誕生日プレゼント渡してないから、何かあげたい!」


「いや、いいよそんな」


いつも誕生日が近くなると、欲しい物を聞くのだけれど、春兄は一貫して『いらないよ。藍が祝ってくれるだけで嬉しいから』と言うだけ。


お祝いの言葉は毎年贈っているのだが、それじゃあ私の気が済まない!


だって、私の誕生日にはいつもプレゼントくれるんだもん。


だから、今年は感謝の意味も込めて何かを贈りたい!



「いや、あるはずだよ!春兄も欲しい物!」


そう言うと、春兄はしばらく何かを考え、再び私の方に顔を向けて口を開いた。


「多分、言ったら藍困るから」


え、私困るの?


それは…つまり…


「あ、なるべくチープなもので、春兄の欲しい物ね?」


私まだ高校生だから、高いものは買えないなぁ。


「あははっ。そうだなー…あ、ペンケース欲しいかな。高校の頃からずっと同じの使ってて結構ボロボロになってきたんだ」


「ペンケースね!わかった!!」


リサーチ完了!


今週末にでも買いに行こう。