10年愛してくれた君へ

「ねぇ、春兄は?」


「ん?」


「春兄の恋バナも聞きたい!」



いつも私が話してばっかりだから、たまには春兄の話も聞きたい。


何かアドバイスできることがあればいいな。



「俺は…いいよ」


「えー何でー?」


「ほら、藍は自分の事で悩んでるんだ。まずはそっち上手くいってからな」


私の頭に優しく手を置く春兄。


上手く感じにかわされた気がする。



「もう悩み事は解決したよ?春兄のおかげで!だから今度は春兄の番!」


「藍…」


少し困った顔を見せた。


こんな表情を見るのは何回目だろう。



「彼女も好きな人もいないよ」


「嘘!?春兄なのに!?」


「俺なのにって」


「だってモテモテでしょ!?」


「いやそうでもないよ」


またまた〜謙遜しちゃって。


モテるのは知っているのに!



「じゃあ!じゃあ!いつから彼女いないの?」


「んー、3年前、かな?」


「えー!!??そんなに!?」


「藍騒ぎすぎ」


3年も彼女いないなんて、絶対何かの間違いだ。