10年愛してくれた君へ

「…どんな奴なんだ?」


「爽やかで、明るくて、気遣いができるの」


「そっか。藍昔からそういうの好きだったよな」


「え?」


恋愛の話したことないのに『昔から』って…


どうして知ってるのかな?



「あ、いや、芸能人とかさ、爽やかなの好きじゃなかった?」


あ、そういうことか。


「うん、確かにそうかもね。でね?最近それが恋ってことに気づいて、気づけば目で追っちゃってるの。席は隣で散々教室では喋るのに。自分でもびっくりしちゃうよ」


「何だか藍、幸せそうな顔してるな」


「え、そう!?」


「してる」


ベラベラ喋る私を優しい目で見下ろす春兄。


やっぱり相談するなら春兄だ。



どうして充希はあんなこと言ったのかな?




「藍みたいに素直な子なら、きっと上手くいくと思うよ」


「そ、そうかな?」


春兄に言われると不思議と安心する。


春兄の言葉はとても心強い。