10年愛してくれた君へ



メッセージのやりとりを終えても頭の中はさっきのことばかり。


きっと河西くんは何の気なしに言ったのだろうけど、意識してしまう。


元々好みのタイプだったし、仲良くなれたし、あのセリフだし…いや、気にしすぎだ。


このドキドキは恋愛慣れしてないからだ。


男の人とそこまで接点なかったし、久々に異性と関わって少しテンション上がっちゃっただけ。


春兄も異性だけど異性じゃないようなものだし、いや、異性なんだけど、春兄とはそういうんじゃないというか…



「河西くん…」



声に出して名前を呟いてみた。




別に"好き"ではないんだ、きっと。



きっと…








そんなことばかり考えていて、夜はあまり寝られなかった。