あれから何日経っただろう。


藍と会わず、連絡も取らない日が続くと、1週間、いや、1日すらとても長く感じる。



ふとカレンダーに目をやると、もうすぐ藍の誕生日。毎年藍に欲しいものをプレゼントしていた。だから今年も…と思ったが、連絡が取りづらい。


もしかしたら俺は、あの時藍に嫌われてしまったのかもしれない。


あれから返事が未だになく、そう悪い方向へと考えてしまう。


毎年してきたことをぱったりとやめてしまったいいのか?



藍の誕生日を祝いたいのはやまやまだが、嫌がられてしまったらどうしよう。


考えに考え抜いた末、今年はこっそりとプレゼントを用意することに決めた。


卒論の準備やら何やらでゆっくり買い物に行く時間がないため、プレゼントは藍の誕生日当日に買いに行くことにした。


買ってそのまま藍に渡しに行こう。どんな顔をされるか、少し不安要素もあるけれど。




そして俺は、ふと"あること"を思いついた。


それは、藍への手紙を書くことだった。



今現在、俺と藍の間には微妙な距離感がある。今までに感じたことのない距離感だ。


もし、このまま藍の"お兄ちゃん"でいることすらできなくなったら…想像すると怖くなった。


彼氏がいる藍に拒絶をされたような状態の今、崖の淵に立っているのと変わらない今、藍と繋がっているのは一本の細い糸。


少しでも力を入れると、プツンと切れてしまいそうな糸だ。


だからこそ、自分の動くタイミングが"今"だと思った。




手紙で気持ちを伝えよう。


そして、一度リセットしよう。




いつの日か藍が俺に言ってくれた、『自分の気持ちを大事にしていい』という言葉。


藍が俺にくれた言葉を胸に、便箋を並べた。