10年愛してくれた君へ




家に着いて携帯を開くと、春兄からメッセージが届いていた。



【パーカーありがとうな!ソフト頑張れよ】



律儀だなぁ春兄。わざわざお礼のメッセージを送ってくるなんて。そんなところも尊敬できる部分だ。



【もう忘れ物しちゃダメだよ!笑
ありがとう!頑張るね!!】



そう返事を送ったと同時に別のメッセージが届いた。開いてみると…



「あ、河西くんだ」


あの後私と充希は河西くんと連絡先を交換したのだ。



【よ!河西です。
これからよろしくな〜】


何とも単調な文書だった。


ま、男子ってそういうもんだよね。


【鵜崎です。こちらこそ宜しくね〜!
そう言えば、春兄がキャッチボールしようって言ってくれて】


【合宿のこと知ってるんだ?】


【うん!でもやっぱり就活生だから、さすがに断った!】


【就活生なのか!そりゃ忙しそうだな】



他愛のないやりとりが続く。その後私は春兄とのことを河西くんに永遠と語り続けた。


いつから知り合って、どんな人で…


春兄の良さを分かってもらいたい!
自慢のできる幼馴染なんだ!って伝えたくて。




【会ってみたいな〜、その、春兄さんに】


【今度うち来なよ!春兄の家近いから紹介する!】


【なんか恥ずかしいな〜、鵜崎の兄さんに紹介される彼氏みたい笑】



かかかかか彼氏!?



突然の事で指が止まる。


っていうかドキドキしてきた….


どう返そうかと迷っていると、河西くんから新しいメッセージが入った。



【ごめん、冗談だから笑】


うん、だよね、分かってる。


【びっくりしたよー!笑】


【鵜崎って素直だな】



そうかな?あんなこと言われたら誰でもびっくりするよね。


これだから恋愛慣れしてない私は…




なんか、明日学校で顔合わせるの少し恥ずかしいな。


別に気にすることじゃないんだろうけど。