10年愛してくれた君へ



藍としばらく会わない日が続き、ふと明日が合宿だということに気づく。


集合場所に送ってやると言ってあんなことがあり、藍も気まずさを感じて何も連絡をして来なかったのだろう。


自分の気持ちも落ち着き、藍に連絡をした。久々に聞いた藍の声。電話で話すだけで心が温かくなる。



そして合宿当日、目的地まで送った俺の目の前に現れたのは、藍の好きな相手だった。


爽やかそうなやつだな…と思っていると、そいつは初対面の俺にグイグイとコミュニケーションを取ってきた。しかし、嫌な気はしなかった。それは彼の人柄が後ろ盾となっているのだろう。


結構いいやつかもしれない。彼ならきっと、藍を任せても大丈夫だ。



ただの藍の片思いだと知りながら、まるでやがて二人は恋人関係になると予測しているような考えだけれど。






合宿中、幾度となく藍は電話を掛けてきた。


受験生の勉強合宿となると、結構辛いよな…そんな気持ちとは裏腹に、電話口から聞こえる勉強に疲れている藍の声に"可愛い"とも思ってしまう。


頑張れ、藍。今が踏ん張りどきだ。