ゆっくりと春兄に視線を移す。
春兄の手をそっと取り、包み込むように強く握った。
「…目、覚ますよね?大丈夫だよね?」
すると、春兄ママは息苦しそうに声を漏らした。
「…危険な状態が続くって」
その言葉に握っていた自分の手の力がスーッと抜けていく気がした。
「助からない…の?」
「意識が戻れば大丈夫だけど、もしかしたら障害が残るかもって。だけど打ち所が悪かったから、最悪の場合も…覚悟しておいてって」
「そんなっ!!」
私の中で我慢していた何かがぷつっと切れて、構わず大泣きした。
嫌だ…嫌だ!!
居るのが当たり前だと思っていた春兄が、突然消えてしまうかもしれないというこの状況。
ふと頭をよぎったのは、いつの日かお母さんが話してくれた過去のこと。
思えばお母さんはずっと黙ったままだ。
「…お母さんっ」
するとお母さんは顔を歪め、泣きそうな顔で私と目を合わせる。
「…大丈夫よ…人がそう簡単に死んでたまるもんですか」
"死"…
かつてお母さんの幼馴染も、若くして事故で亡くなった。
今まさに、私と春兄も同じ状況に在る。
神様は残酷だ。
こんなに優しい人を、どうして酷い目にばかり遭わせるのだろう。
泣き続けている私に声を掛けたのは春兄ママ。
春兄の手をそっと取り、包み込むように強く握った。
「…目、覚ますよね?大丈夫だよね?」
すると、春兄ママは息苦しそうに声を漏らした。
「…危険な状態が続くって」
その言葉に握っていた自分の手の力がスーッと抜けていく気がした。
「助からない…の?」
「意識が戻れば大丈夫だけど、もしかしたら障害が残るかもって。だけど打ち所が悪かったから、最悪の場合も…覚悟しておいてって」
「そんなっ!!」
私の中で我慢していた何かがぷつっと切れて、構わず大泣きした。
嫌だ…嫌だ!!
居るのが当たり前だと思っていた春兄が、突然消えてしまうかもしれないというこの状況。
ふと頭をよぎったのは、いつの日かお母さんが話してくれた過去のこと。
思えばお母さんはずっと黙ったままだ。
「…お母さんっ」
するとお母さんは顔を歪め、泣きそうな顔で私と目を合わせる。
「…大丈夫よ…人がそう簡単に死んでたまるもんですか」
"死"…
かつてお母さんの幼馴染も、若くして事故で亡くなった。
今まさに、私と春兄も同じ状況に在る。
神様は残酷だ。
こんなに優しい人を、どうして酷い目にばかり遭わせるのだろう。
泣き続けている私に声を掛けたのは春兄ママ。



