場所は駅前の、学生に人気のカラオケ店。
フリータイムが安くてドリンクバーの種類も豊富。お金があまりない私たち学生に優しいお店だ。
私と充希と河西くんの三人なのに、パーティルーム。たまにあるよね、少人数なのにパーティルームを用意してくれるところ。
「誕生日パーティにぴったりじゃない。ねぇ藍?」
「何かラッキーだったね!さぁ歌うぞー!!」
遠慮なく1曲目を入れた私。大人気アイドルのバースデーソングだ。
「あんた、自分で歌うの」
「私これ大好きなの!ほら二人ともタンバリン!!」
タンバリンを押し付け、盛り上がりに強制参加させた。
みんながよく知っている曲でノリやすかったのか、二人ともローファーを脱ぎ、ソファに乗って各々自由に相の手を入れる。
序盤から体力を使いすぎるのは、若さゆえ。
2曲目は河西くんのハードロック。
マイナーなバンドで私と充希は知らなかったため、画面に映し出されるPVに見入っていた。
カラオケでみんなが知らないような曲は控える人がいるけれど、私はそういうのもじゃんじゃん歌って欲しい。
その人の好みや新しい音楽を知ることができて、私は好きだ。