「藍、最近様子おかしくないか?大丈夫?」
春兄にも気付かれている私の変化。
自分で自分の感情を上手くコントロールできていない。
「ううん、そんなことないよ、大丈夫」
きっと、私が何かを言うたびに春兄の負担になってしまう。
春兄が隠したいのなら、私は何も知ろうとしない方がいいのかな。
「本当に大丈夫なのか?悩みあるなら俺聞くよ」
悩みがあるのは本当に私なの?そうなの?春兄…
「…私には、何も言ってくれないのに」
「え?」
あぁ、こんなこと言いたいわけじゃないのに。
思ってもいないことが、次から次へと口から漏れる。
「春兄のことは教えてくれないのに、探ろうとしないで!!」
シーンと静まり返る部屋。
もう…ダメだ、春兄に嫌われた。
顔を上げるのが怖くて、俯いたままの私。
春兄は今、どんな顔をしている?
どんな気持ちでいる?
私は…どうしてしまったのだろう。
「ごめん、今日は帰ってもらってもいいかな。ちょっと体調悪いみたいで…」
春兄に嘘をついたことは、今まであっただろうか。
「…わかった」
それだけ言い、静かに部屋を出て行った。



