『うんっ!ありがとう春兄!じゃあ春兄はこれ被って』
お返しに渡したつもりだったのかな、麦わら帽子を春兄へ。
貰ったものを他の人に渡すなんて、考えられないけれど。
『こら藍、春兄くんは男の子なのよ?』
『いいんだよおばさん。俺がこれ被ったら、面白いし』
嫌な顔一つせずそれを被る。
当時小学4年生だった春兄は、絶対恥ずかしかったはずなのに…
いつも私を優先するんだ。
小さいときからそうだったんだ。
「…春兄らしいね」
当時の話を聞いて、心が温かくなり、同時に優しい気持ちになる。
何年も春兄の優しさに触れて来たんだ。
「あれ?この私、怒ってるの?」
次に目をつけたのは、ふくれっ面の私とそれをなだめているのか、私の顔を覗き込んでいる春兄の写真。
こんなちょっとした瞬間のものまで写真に収めているなんて。
「この時、春人くんがうちに遊びに来ていてね?お母さんが間違えて、あんたのアイスクリーム出しちゃったのよ。藍が気付く前に春人くん全部食べちゃって、大激怒。悪いのはお母さんなのに、春人くんったらずーっと謝っていたわ」
決して人のせいにはしない春兄。
そんな春兄の人柄が現れた瞬間なんだね。
頬を緩ませ、写真に写る春兄を指で撫でる。
お返しに渡したつもりだったのかな、麦わら帽子を春兄へ。
貰ったものを他の人に渡すなんて、考えられないけれど。
『こら藍、春兄くんは男の子なのよ?』
『いいんだよおばさん。俺がこれ被ったら、面白いし』
嫌な顔一つせずそれを被る。
当時小学4年生だった春兄は、絶対恥ずかしかったはずなのに…
いつも私を優先するんだ。
小さいときからそうだったんだ。
「…春兄らしいね」
当時の話を聞いて、心が温かくなり、同時に優しい気持ちになる。
何年も春兄の優しさに触れて来たんだ。
「あれ?この私、怒ってるの?」
次に目をつけたのは、ふくれっ面の私とそれをなだめているのか、私の顔を覗き込んでいる春兄の写真。
こんなちょっとした瞬間のものまで写真に収めているなんて。
「この時、春人くんがうちに遊びに来ていてね?お母さんが間違えて、あんたのアイスクリーム出しちゃったのよ。藍が気付く前に春人くん全部食べちゃって、大激怒。悪いのはお母さんなのに、春人くんったらずーっと謝っていたわ」
決して人のせいにはしない春兄。
そんな春兄の人柄が現れた瞬間なんだね。
頬を緩ませ、写真に写る春兄を指で撫でる。



