学校ーーーーー


「マジ!?農業者!?」


「でもかっこよくない??」


「う~ん、確かに幹斗さんがやってる所を 
 想像するとカッコイイかも・・・」


「でしょ??」


アヤカに幹斗の仕事の報告をした。
始めはビックリしてたけど
あたしが熱心に語ってたら
納得してくれた。


「翔太は大工だしねぇ~」


「なんか二人共、職人じゃん・・・。」


「優、農業は職人とは言わないでしょ?」


「でも似てるよ。」


「まぁね。」


翔太の家は、学校から近いから
アヤカは翔太の仕事が休みの日は
必ず家によって帰っているけど

幹斗の家は学校からも
あたしの家からも離れてるから、
なかなか会えない・・・。


「そーいえば翔太がさぁ~」


彼氏に会えない寂しさと
アヤカの彼氏自慢話には
そろそろ限界だった・・・。
幹斗に会いたい・・・。


「ごめん、今日は帰る・・・」


「え?まだ2限目だよ?」


「先生に早退したって言っといて・・・」


「大丈夫?」


「ちょっとお腹痛いだけだから・・・」


「分かった。」


「うん・・・ごめんね・・・」


あたしはアヤカに初めて
ウソをついた・・・。
本当はお腹なんて痛くない。
もう、アヤカの彼氏話が限界だった・・・。
あたしが幹斗と会えてない事
知ってるのに
なんで彼氏の話ばっかするの?

あたしは友達のアヤカに
腹が立ってしまった・・・。
友達なのに、
ずっと一緒にいたのに・・・。
そんな自分にも
腹が立って
行く所も決めてないのに
走った・・・。
涙が出そうになって
喉につまって苦しかったけど
走った・・・