離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】

─本当に本当に良かった。

連絡が取れない間、二度とこんな風に話せないかもしれないと思った。

謝ることさえできないかもしれないと思った。


今、龍成といられることが幸せでたまらない。

あんな辛くて苦しい思いはもうたくさん。

繰り返さない為にもこの現状に感謝して、ちゃんと素直にならなくちゃ。


「飲んだ日?…ああ、奏達と飲んだ時か」

「その節はお世話になりました」

「まさかの寝落ちには驚いたわ」

「ご、ごめん。それでその…」

「はいはい、記憶がないわけですね」

「そうなんですの」


やっぱばれてたか。そりゃそうか。


「笑って誤魔化そうとしやがって」

「えへ」

「あまりにも積極的で俺の方がたじろぐくらいでしたよ」

「──は?!」


なに積極的って!!