離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】

不意打ちもいいところ。痛さにおでこを手で抑える。


「ひどいじゃないのっ」

「華乃ちゃん?そういうの、口にしないで悟ってくれる?いい大人なんだから」

「だからってなにも」

「こんなひねくれたわがまま女に夢中な俺の身になれ」

「──」


…結局、しっかり口にしてるじゃない。


胸がいっぱいで苦しい。

龍成の愛情が直で伝わってくる。


──龍成が愛しくてたまらない。


「華乃、お前は俺をここまで変えたことを誇りに思え」


……こういうのがなきゃいい男だと思えるんだけどな。


「また勘違い発言」

「あ゛ー。せっかく地獄のような海外出張を終えて華乃と夜景に癒されようと思ったのに、あいつのせいで台無しだ」


龍成は髪をかきあげ、シートにもたれため息をついた。