「お前、本当に大丈夫か？」


心配しているのか、顔を近づけてわたしを覗き込む龍成。


さっきのお店では隣同士に座っていた龍成が、今は目の前にいる。

こうして二人でゆっくり向き合うのも、久しぶりかもしれない。


「…だから大丈夫だってば。それよりこのお店、よく来てたの？」

「ん？そこまでではないな。なんだよ、この店がどうかしたのか？」

「んーん、別に。なんでここにしたのかなと思って」


完全に女の子と来るお店。

当たり前だとわかってはいても、わたし以外の子と来たことがあるんだと思うと、やっぱり気分が優れない。


「照明とか女が好きそうな雰囲気だし、他人の声が聞こえにくいから邪魔されずに華乃と飲めると思ったんだよ」

「ふーん」

「なんだその反応。その顔」

「この顔は生まれつきです」

「妬いてんのか？」


ドキッ。


「っな、何によ…」