「龍成、お前に来客だ」


社長室への電話を受け取った親父は、電話を切ったあと俺に告げた。


「は?俺に?」


まだ勉強中の身の俺に来客?なんかの間違いじゃね?


「応接室に通しておいた。お前も向かえ」

「や、その前に誰か言えよ。華乃か?まさか奏じゃねぇよな?」

「行けばわかる」

「そりゃそうだろうがよ!普通言うだろ!」

「行けばわかると言っている。さっさと行け」

「……意味わかんね」


親父が意味不明なのは今に始まったことじゃねぇけど。


何か納得できないまま応接室に到着し、ノックをしてドアを開ける。


「失礼しま…」

「神田さん!!」


……は?


ドアを開けた瞬間目に飛び込んできたのは、まさかの五十嵐。


しかも俺を見た途端、床に手をつきだした。