顔色悪いんだ、わたし。気持ちがそのまま出ちゃってたのかな。だから龍成、ここまで心配してるのか。


「未来を保証なんてできない。何が起こるかなんてわからない。それでも、お前を幸せにしたいと思う気持ちは変わらない。これだけは断言できる」

「え、どうしたの?急にそんな台詞言うなんて」


龍成の口から出る信じがたい言葉の数々。

レア並みだよ。

龍成の目は曇りなくわたしを見つめるから、妙に胸がドキドキしてしまう。


「そして、俺もお前と幸せでいたい。つーかお前とじゃなきゃ、俺は幸せではいられない」

「……わたしも。今幸せで怖いくらい」

「お前は今まで嫌な思いや辛い思いをたくさんした分、ずっと幸せでいるべきだ。人生はいいことと悪いことの割合が同じになるようにできてんだから」

「……ありがとう」


零れた涙を、龍成は優しく拭ってくれる。


どうしてだろう、無性に切ない。


これほどまでに幸せでいいのかという焦燥感。彼を幸せにしたいという焦燥感。


嫌な思いも、辛くて引き裂かれそうになった記憶も、この幸せを前にしたら綺麗に消え去ってしまう。


忘れたくても忘れさせてくれなかった暗い過去達は、龍成がくれる幸せには勝てるわけがない。