「今日はいいわ。明日起きてからで」


朝浴びたしな。とにかくだりぃ。全部五十嵐のせいだ。


「じゃ、わたし浴びるから」

「一緒に行こうか?」

「いらんわ」


俺に見向きもせず即答した華乃は、シャワーの支度を始めようとする。


……おい、まだ全部解決したわけじゃねぇぞ。


「華乃ちゃん、新くんとは本当に何もないんだよな?」


引きつりそうなくらいの笑顔で訊ねる。

こればかりはちゃんと確認しないと。


……疲れてるくせにこれかよ。

なんで俺はこんな嫉妬深いんだ。自分で自分が情けなくて笑えるわ。


そんな俺を、動きを止めじっと見据える華乃。何考えてやがる。大方予想はつくけれども。


俺が座っているせいか立っている華乃に見下ろされているが、妙に見下されている気分だ。


「……そんなに疑わしい?」


なぜか挑戦的に聞き返される。

てめ、どういうつもりだ。