今だけだ。

店の中にいる間だけ。

だから、華乃にバレることは絶対にない。俺の記憶からも消し去るから。


今だけ、許してくれ。


「初めまして。アキです。よろしくね」

「アキちゃん、よろしくー」


アキちゃんは俺と五十嵐に名刺を差し出し、俺の左隣へ座った。

とりあえず受け取り、これもスーツのポケットへ。

帰る時にどこかで処理することを頭に入れる。


アキちゃん、見た目二十歳くらいか?でも大人な色気もある、綺麗系のギャルだ。マネキン並みのスタイル、人形のような顔、この外見じゃNo.3以内には確実に入ってるな。


てことは五十嵐について、俺と五十嵐の間に座ったのはマナちゃんか。


……マナ?どっかで聞いたことがあるような。ま、どこにでもある源氏名だしな。


「マナです!よろしくお願いします!」


五十嵐に名刺を渡したあと、マナちゃんは振り向き俺にも名刺を差し出した。


「はいよろしく…」

「──!!」