……なるほど。

こいつは俺が気にくわないのか。


「……それは」

「今でも見た感じチャラいけどさ、仕事はしっかりしてるみたいじゃん?うちの会社の上層が、前まではやたらあんたの悪口言って笑ってたのに、あんたに直接会った途端褒め言葉しか言わなくなったんだよ。どんな手使ってんすか?」


皮肉混じりで、人を馬鹿にするような顔つき。

相当俺にイラついてんだな。


……確かに今までいいだけ遊んできて、それでも約束された未来があるっていうのは、普通の人間から見たらそりゃイラつくわな。


俺だって好きで継ぐわけじゃねぇけど、それを言ったところでどうしようもねぇ。自分で継ぐと決めたんだから。


マジでめちゃくちゃやりづれぇな、この男。ま、どれもこれも俺の不甲斐なさからだ。自業自得ってやつだな、仕方ねぇ。


「僕のいたらない過去のことで気分を悪くさせていたのなら申し訳ありません。しかし、今は心を入れ替えて」

「俺はぶっちゃけた話を聞きたいんすよ。別にあんたの過去を咎めたいわけじゃないし、ある意味尊敬してるんだ」