い、いつのまに?!


「熱があって新婚旅行がなくなったからって実家に帰させるのも癪だし、俺だって貴重な休みにただ実家にいたくねぇ。俺も一緒にお前の実家に行ってもいいけど、やっぱり二人きりじゃないと。なによりお前の看病をするのはこれからは俺だからな」

「で、でも、本当に住める状態なの?」

「お前が病院に行ってる間に手続きだのは済ませておいた。麻友ちゃんに聞いたら仕事で忙しくなるから必要な物は結婚式前に準備してあったって」

「そうなんだ。…だけどわたしの荷物は」

「さっき綾乃さんから受け取ってきた」

「綾乃さん?」

「お前の母親」

「はあ?!な、なんで名前で」

「名前で呼んでって言われたんだよ」

「なっ…」


なんじゃそりゃ。意味わからんなあの母親。なに考えて……って、これじゃ偽装結婚の時と一緒じゃん!


「大丈夫か?抱っこして連れてってやろうか」

「は?抱っこって…」