離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】

……龍成……。


「で、でも、せっかくの新婚旅行なのに」

「新婚旅行なんていつでも行ける。結婚して五年くらいは新婚なんだし、今必ず行かなけりゃならねぇ法律なんてねぇだろ」


龍成はわたしを上から見下ろし、優しい表情で頭を撫でる。 


どうしてこんなわたしにそこまで優しくしてくれるんだろう。


「……それはそうだけど……。迷惑かけてごめんね、こんなわたしでごめんね」


飽きられるようなことをしていると自分でわかっていながらも、離れないでいてほしいと願う。


わたしのわがままはエベレスト級だ。


「……ただで済むと思うなよ」

「…え?」

「なんでもない。今は治すことだけ考えろ」

「うん…」

「病院に行くまで寝てろよ」

「病院はいい。市販の薬で…」

「絶対命令」

「……わかりました」

「よし」

「…ありがとう、龍成」


大好きだよ。