「うん。お母さんはちゃっかりスーツ買ったんだね」

「うふ」

「うわ!お母さんずるいっ!」

「來乃、静かにしなさい。華乃、早く行きなさい」

「うん、お父さんも遅れないでね」

「わかってるよ。龍成さん、お願いします」


お父さんの言葉でみんなが静まり、ソファーに座っていた龍成に視線が集まる。


「はい」


にこやかに微笑み、立ち上がる龍成。


──どうしよう。今日の龍成、めちゃくちゃかっこよく見える。


無駄にドキドキしてる。


「華乃を、今度こそどうぞよろしくお願いします」

「──。」