「…なんなの。なんか変なの。その笑顔やめて。気持ち悪いから」

「はあ?!ありえねぇこと言うな!」

「もういい、じゃあね」


華乃がドアに左手をかけ、車から降りようとする。

のを、俺は右手を掴み止めた。


「おい、何怒ってんだよ」

「怒ってなんかない」

「あからさまに不機嫌じゃねぇか」

「それは龍成がっ…」


勢いよく振り向いたかと思えば、言葉をつまらせる華乃。


「俺がなんだよ」

「…っ…」

「はあ?」


なんで泣くのを堪えてるような顔するんだよ。

わけわかんねぇやつだな。