「どっかの映画みたく結婚式にあいつが現れて二人で逃げたり」

「しねぇよ!!」

「ぶはっ」

「…ていうかなんで家なの?」

「は?」

「なんでもう家に着いてるの?」


気づくと華乃の家の前に車を停めていた。

完全に無意識だったわ。無意識に二人きりになる時間を避けようとするなんて、相当だな、俺。


「…時間も遅いし」

「遅いってまだ夕方だけど」


ちっ、俺の笑顔がかわされるとは。


「…んなら今から家具でも見に行くか?」

「家具を見に行くには時間が遅いし疲れてるから今日はいいよ。あ、家でご飯食べてく?」

「…いい」


なにかの間違いで華乃の部屋に二人きりになることがあったらまずいだろ。