「…そうだな。じゃあ次の休みは家具でも見に行くか」

「うん!」


──どうしようもねぇな。


自分の不甲斐なさに泣ける。


最近、なんとなく前より華乃が素直な気がする。

それを俺が素直に喜べない。


可愛さの余り押し倒してしまいそうな自分を抑えるのに必死になる。


今になって思うと、欲を抑えるということを俺自身したことがない。

したいようにやってきたし、欲しいものはそこまで欲しいと思う前に手に入った。


女に困ったこともない。


だから余計きついんだ。この現状が。


「いくらなんでもここまできて結婚しないとはもう言わねぇよな?」

「さすがにね」