離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】

「おい。今のはわたしが寝落ちしてあんたがおぶったって話か」

「そうだよ。何の話だと思ったんですか?」


意地汚く笑う龍成。

その笑顔に、わたしはキレた。


「それのどこが淫乱じゃハゲ!!ほんと最低っ!!」

「いてっ!ちょ、やめろ!」

「ふざけんなー!!馬鹿やろー!!」

「こら!やめろって!」

「チャラ男最低ー!!」

「おい!華乃!」

「──っ」


シートから身を乗り出しボカボカと殴りつけていたら、龍成に両手首を掴まれた。

暗闇の中、二人の視線が絡まる。


「冗談だろ。こんな綺麗な夜景の中で本気で怒るなんてもったいねぇって」

「夜景は綺麗だけど、それとこれは話が…」