今日は祝日で、学園が休みである碧羽とお供の双子一行らは、朝から繁華街にある碧羽行きつけの書店へと、足を運んできている。

 先週、碧羽は湿気たBL本に埋まり、双子にウォークインクローゼット内のカルマ的汚物を、廃棄処理してもらったばかりである。

 ふたりに借りが出来てしまったとはいえ、これまで永くを蔑ろ(ないがしろ)にされた碧羽。それはとても悲しく、毎日が気の抜けたソーダのように味気ないものであった。

 不承ではあったが、ふたりの提案に乗った碧羽。それは少なからずも、碧羽の心に傷を残した。幸か不幸か、おかげさまで彼女はソロ活動も板についた、最強の『腐女子』へとレベルアップしたのである。

 腐女子云々はさておき……それがどうして碧羽と双子はともに、ショッピングに赴くことにつながるのであろうか?

 その答えは、先週のクローゼット清掃のあとに碧羽が出した、ある条件にヒントが隠されていた。

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 これまで双子は、碧羽が自分たちの責任で虐められないよう、彼女から距離を取っていた。それは、まだ子供である自分たちが、彼女をすべてから守ってあげられる力がなかったからだ。

 けれど、現在は以前よりも成長し、心身ともにひとりの女の子を、守ってあげられるくらいの甲斐性は備わったと自負している。……らしい。