そんなことを考えながら
ぼーっとしていた時だった。



「莉子ちゃん!こっちくるよ!!」

一緒にいた子がわたしに大きな声で言ってきた。



気づいた時、1組の男の子がボールを投げてきていて

やばいと思った時だった。


当たると思っていたボールは当たらずに
わたしは閉じていた目を開けて前を見た。



わたしの前には片岡くんが立っていて
ボールを持っていた。


「莉子!大丈夫!?」


守ってくれたことにもびっくりしたけど
何よりわたしのことを『莉子』と呼んだことに驚いた。