わたしのいちばんすきなひと。




「ごめんな、莉子ありがとう。」

マグカップを受け取り、翔くんはコーヒーを飲む。


久しぶりに見るコーヒーを飲む仕草。

懐かしくて…好きだったな…と思わず見とれてしまった。




「雨…すぐ止むといいね…」


雨がやめば翔くんは帰る。


でもこのまま止まなければいいのにと

少しでもそう思う自分が本当に最低だと思った。



「そうだな…すぐ止むだろう。」


ザーッという雨の音が部屋に響く。


セットしていた翔くんの髪が雨で少し崩れていて、それがすごく色っぽく感じてしまう。