「……ごちそーさま」
「……お前な、」
自分から言ったくせに……と、思う。
「ノロケはごめんだ」
俺だって、お前のノロケにはごめんだ。
と、言いたくなるがグッと堪えた。
「それにしても、お前は……すげーな」
靴箱を開けると、大量の手紙が床にバサバサと落ちてきた。
それを見て夏樹は唖然とする。
いやいや、俺の方が唖然としたいんだけど。
とりあえず俺は、しゃがんで落ちた手紙を拾い集めた。
「全部、読むのか?」
「読むよ。」
「おー、柊聖そういうとこイケメンだよなー」
「は……?」
「まあ、顔もイケメンだけど、性格もイケメンの男子なんてお前の他にいないだろ」
夏樹、褒めてるのか貶してるのかよくわかんねーよ。
手紙をリュックにしまい俺と夏樹は教室へ向かった。
ーガラッ
夏樹が教室のドアを開け
「おっす、みんな!おはよう」
爽やかな挨拶をする夏樹。
夏樹は、クラスメイトは絶対に嫌わないやつだ。
1人でいるやつを見れば駆け寄る……。
それくらい最高なやつだ。
「夏樹ーおはよう!」
「おはよー」
先に来ていたクラスメイトも夏樹の挨拶に返事をする。


