「あー、まぁな。
なんだ、夏樹。まさか、おまえ琉心のこと、好きなのかよ」
夏樹は、驚いた顔をする。
「……え、図星かよ……」
「ちげーよ。
オレは、まあ……確かに琉心ちゃんのこと好きな時期はあったよ？
可愛いし、オマケに天然だからな」
「……夏樹って、好きなやついたのかよ」
いつも、つるんでるけれど夏樹の恋愛話など聞いたことはなかった。
「……まあ、いるだろ。
オレも男だし。
……そういう、柊聖は？いないのかよ、好きなやつ」
好きなやつ……か。
「……いるよ。俺にも好きなやつ」
「おー、マジか。聞いたことねー。
過去の恋愛乗り越えてるとかおまえスゲーな」
「……まだ、乗り越えてねぇけど？」
「……、」
夏樹との間に気まづい雰囲気が流れる。
その時、ちょうど電車が来た。
俺たちは、改札を抜け、急いで電車に乗った。
「きゃあああ！！」
