バイクを飛ばし10分後
子供の楽しそうな声が耳につく
辺りを見回していると小走りでやってきたチビ
『姉貴』
餓鬼の癖に姉貴?普通はお姉ちゃんだろと思う
『おい。早く帰んぞ』
本当に生意気だ
こいつは私の一回り下の弟
天宮 壱太 ーamamiya ittaー
現在四才、私にそっくりな顔
「くそ餓鬼。粋がってんじゃねぇよ」
壱太を抱き抱え後ろに跨がらせる
私も跨るとちゃんと腰に小さい腕を巻きつける
こうしてたら可愛い弟なのになったく
『早く出せよばか姉貴』
「はいはい」
壱太の先生が何か叫んでいるが勿論そのまま無視して
低音で地に響く愛車を鳴かせ走り出す

