「へっくし!!」
ピンクの髪で青い目の少女が下校していた。その少女の名は神野 美桜(じんの みおう)。
「誰か噂してるのかな?」
美桜は鼻の下を少し擦った。すると、チリン…とお守りの鈴が鳴った。美桜はそれを見て少し微笑み、ぎゅっと握りしめた。美桜の家は神社をやっているのだが、このお守りは違った。お守りには拙い字で「おまもり」と書かれている。

「うぇぇーん!!」
小さな美桜は大きな樹木の下で体を震わせながら泣いていた。そこに白い髪の男の子がそっとやって来た。
「どうしたの?あぁ、鳥が死んだのか…。」
美桜は頷くが泣き止まない。白い髪の男の子はポケットからハンカチを取り出し、美桜のポロポロと流れ落ちる涙を拭いた。
「いい所に連れてってあげる。」
白い髪の男の子はそう言うと、美桜の手を取って走った。そこにはドラゴンのような生き物が飛び交い、キレイに透き通った湖が広がっていた。
「すごい…」
美桜が感動していると、白い髪の男の子は美桜の服のポケットを指さした。
「お前は心の優しい奴だ。そのポケットの中を見てみろ。」
ポケットには小さなお守りがいつの間にか入っていた。
「それ、俺が作ったんだ。絶対お前を守ってくれる。」
「…ありがとう!」
そう美桜が言った瞬間、美桜はベッドの上にいた。横を見ると母が泣いていた。母の話を聞くと、美桜は大きな樹木の下で倒れていて、1週間寝たきりだったそうだ。美桜が夢だったのかと思っていると、チリン…と鈴の音がした。美桜はちゃんとお守りを持っていた。

大きな樹木の近くに来た。
「なんか懐かしいこと思い出しちゃったな〜…。」
美桜は大きな樹木に手を合わせた。(またあの白い髪の男の子に会えますように)
美桜は再び足を動かした。