「ジャンケンで負けたら手作りチョコちょうだい」


「え!?」


「はい、ジャンケン……ポン!」





チョキを出した朝日を私は呆然とみた。





「んじゃ、よろしく~」




手をひらひらさせて私の横を過ぎる。






……なにが起きたの。


ジャンケンで、負けたの?





……ちょっと、待ちなさいよっ。





慌てて廊下に飛び出た私はまだ先にいる朝日の背中めがけて叫んだ。