「朝日は、 それ知っててあんなこと言ったの?」 「だってさ、……」 急に口ごもる朝日。 それにしても意地悪だ。 作れないって知っていながらあんなこと言うなんて。 こっちの気持ちも知らないで。 「だって、こうでもしないとチョコくれないだろ!?」 「……なにそれ。 チョコならいっぱい貰えてるじゃん」 朝日のリュックの傍には溢れるくらい詰まったバレンタインチョコの袋が置いてある。 私はそれを指さして言った。