忙しいのは何も俺だけじゃない、と自分に言い訳しながらも損な性分であるのは分かっている。
口の悪い幼なじみは『颯哉は、昔から自分にも他人にも厳しい完璧主義者だ』と哂っていたが。
残業人口が高いのを見越した俺は、とっておきの屋上へと足を運んだ。
いつも使う喫煙所は煙草を吸うためだけでなく、情報集めやコミュニケーションの場として利用している人間が殆どだ。
普段は自分もその恩恵を受けるのだがその代わり、休憩が休憩にならないような煩わしさを感じるときもある。
ことに外回りの営業で疲れた日なんぞは、雑談を振ろうと寄ってくる他人と交わらずに頭を休めたい。
そんなとき訪れるのが、古い資料室フロアの屋上だった。
かなりのデータがイントラネット化された今、資料室に足を踏み入れる人間は少なくて絶好の穴場だ。
ドアとは反対側の壁面に、ひっそりと置かれた古いベンチ。
こんな死角にベンチを置いた人間は、誰にも邪魔されず休憩したかったに違いない。俺みたいに。
それに深く腰をおろしたあと足をダラリと伸ばす。
何年か前の誕生日に、樹希が気まぐれに寄越したジッポのオイルライターで煙草に火をつけて、ゆっくりと煙を吐き出した。
それから軽く目を閉じて、残り仕事の段取りをぼんやりと瞑想する。
煙草二本をゆっくりと吸ってそろそろ戻ろうかと考えたとき、重たい扉が開く音と他人の足音がした。
口の悪い幼なじみは『颯哉は、昔から自分にも他人にも厳しい完璧主義者だ』と哂っていたが。
残業人口が高いのを見越した俺は、とっておきの屋上へと足を運んだ。
いつも使う喫煙所は煙草を吸うためだけでなく、情報集めやコミュニケーションの場として利用している人間が殆どだ。
普段は自分もその恩恵を受けるのだがその代わり、休憩が休憩にならないような煩わしさを感じるときもある。
ことに外回りの営業で疲れた日なんぞは、雑談を振ろうと寄ってくる他人と交わらずに頭を休めたい。
そんなとき訪れるのが、古い資料室フロアの屋上だった。
かなりのデータがイントラネット化された今、資料室に足を踏み入れる人間は少なくて絶好の穴場だ。
ドアとは反対側の壁面に、ひっそりと置かれた古いベンチ。
こんな死角にベンチを置いた人間は、誰にも邪魔されず休憩したかったに違いない。俺みたいに。
それに深く腰をおろしたあと足をダラリと伸ばす。
何年か前の誕生日に、樹希が気まぐれに寄越したジッポのオイルライターで煙草に火をつけて、ゆっくりと煙を吐き出した。
それから軽く目を閉じて、残り仕事の段取りをぼんやりと瞑想する。
煙草二本をゆっくりと吸ってそろそろ戻ろうかと考えたとき、重たい扉が開く音と他人の足音がした。

