恐怖のあまり、目をギュッと瞑る。


すると、何故か掴まれていた腕が離されて、誰かに抱きしめられた。


「や、やだっ!
やめてください……
俊じゃないとやだっ…」


目を瞑っていたから抱きしめている人物が誰か分からず、必死に抵抗する。



「大丈夫。
俺だよ、愛ちゃん」


私の大好きな声が聞こえ、抵抗を止める。


この声…この匂い…。


私の大好きな…。


「しゅ…ん?」



「遅くなってごめんね
愛ちゃん」


にこりと優しく笑う俊。


そんな俊に安心して我慢してた涙がポロポロと溢れる。