吸血ロミオ



…結依さんが次の言葉を口にするまで待つ。



「でもね、私……ずっと誰かが好きでその人に告白した、というところまでは思い出したの。


けど…誰を好きになったのか、そこで何があったのかまでは……思い出せない」



そこまで言ってふと結依さんは悲しげに顔を伏せた。



その表情を見てあたしの胸はチクリと痛む。



…きっと結依さんの言う「ずっと好きだった誰か」というのはセンパイのことだ。


あたしの他にもセンパイを好きな人がいるのは分かってたけど…




…こんな美人な人までセンパイを好きだと分かると、平凡な自分なんてと情けなくなった。



ん?待てよ?



えーっと結依さんは全部忘れてるんだよね?


…ならどうしてあたしを呼び出したの?