吸血ロミオ



…うん。ひとまずこのことは忘れよう。



センパイのことはあたしの中でも整理がついてないし、考えてもつくとは思えない。


あたしは一旦センパイの事を頭の片隅に置くと、智花と喋りながら教室へと向かった。


あれ?


でも、廊下であたしはある人物を見つけ、思わずその足を止めた。



あの人って確か……



忘れる筈もない。


センパイに昨日血を吸われて気絶していた人だ。



センパイは記憶を消したとか言ってたけど、ホントなのかな?



あたしは何故かその人を見ていると、昨日のキスシーンばかりが頭に浮かんでつい睨んでしまう。



…あ、ていうかどうして一年の教室の前にいるんだろ。



「ねぇっ!」


「どわぁあっ!」


遠目に見ていたはずだったその人が突然、あたしの目の前にいた。



は、恥ずかしすぎる……



女子とは思えない野太い叫び声をだしてしまって、顔が真っ赤になるのが分かる。