彼が去った後もドキドキは消えなくて。



…忍くんていうんだ。



……とくん、と胸が鳴った。






それからあたしは突然だけど、智花と同じ永南高校を目指すことにした。



突然の進路がえに智花や先生はびっくりしたみたいだけど、それでもあたしは永南高校を受験するのをやめなかった。




……だって、もう一度あの人に会いたいんだもん。



あたし、ホント僅かな時間しかいなかったのに彼を好きになっちゃったみたいたがら。



……結局白いハンカチは使ってもらえなかったけど、今となっては彼とあたしをつなぐ唯一の品だ。



猛烈な受験勉強の末に永南高校へ合格を果たし、憧れの忍センパイとも付き合えた……




これからはハッピーなバラ色の毎日が待っている、はずだったのに………